「いーから、伸さんは早くシャワー浴びてきて! 芽衣はその間に休んでるから!」
なされるがままに扉の前まで押された伸也は、仕方ないと言う風に溜め息を吐いた。
「……分かったよ。でも、本当に具合が悪かったら言ってね」
伸也はそう言うと、シャワールームへ入って行った。
シャアアアア
水が流れ落ちる音を確認すると、芽衣はフラつきながら冷蔵庫に向かう。
(はやく、はやく、アイツが戻る前に……!)
缶ビールのプルタブを開けようとするも、震える指に力が入らず上手くいかない。
急がなければならないのにプルタブすら満足に開けられない自分に苛立ち、余計に手間取ってしまう。
「……っぐ!」
胃の中の物が逆流してくる感覚と同時に芽衣が口を押さえる。
何とか喉元で止まり、吐き出さずに済むが具合は悪化していく一方だ。
目眩の激しさはメリーゴーランドからジェットコースターに変わり、空気もロクに吸い込めない。
