「周りの人は何も知らないけど、彼女のやったことを私だけは知っています。だから、それをネタに揺すりをかけて、お金を貰おうとしてる途中なんです。このことが知られては彼女の両親も本人も、評判がガタ落ちですからね」
ふう、と光はやりきったような清々しい顔で息を吐いた。
今の話通り、光は金稼ぎの為に芽衣を恐喝(きょうかつ)している。
それ故、芽衣は光の始末を伸也に頼んだのだ。
「ごめんなさい、長話してしまって。伸さん、シャワーをどうぞ」
「……ああ、じゃあ待っててね」
腰に回されていた腕がほどかれ、自由になった伸也はゆっくりと立ち上がり、シャワールームに入って行った。
ジャアアアア
勢いよく流れ落ちる水の音が、静かな室内にBGMのように響く。
どこか心地よい音を聴きながら、光は鞄を開けて小瓶と注射器を取り出した。
光は、いつもセックスの前に麻薬を接種する。
より感じ、よりイキやすくする為に。
注射器に液体を入れると、光は二の腕辺りの血管に針を刺した――。
