「やあ、お帰り」
そう言って伸也が微笑むと、光が嬉しそうに抱きついてきた。
鼻歌交じりで、ご機嫌な様子だ。
「どうしたの? いつもより積極的だね」
「ウフフ……だって、もうすぐ大金が手に入るんです。だから嬉しくて」
「大金? どこから入ってくるんだい?」
「友達からですよ」
不思議そうな表情の伸也に、光は己のスベスベな頬を擦り寄せながら事情を説明を始めた。
「その子と私、小さな頃からずっと一緒に居た幼馴染みなんです。でも彼女すごくワガママで、人を平気で傷つけるような子でした」
「…………そうなんだ、酷い奴だね」
光が言う“幼馴染み”が、芽衣のことだと分かっている伸也は適当に相槌(あいづち)を打つ。
「高校生の時、彼女は1人の同級生の将来を潰しました。今まで話したことも無く、恨みや何かの感情がある訳でも無い人を、“暇つぶし”の為だけに陥(おとしい)れた」
「……………………」
伸也は黙って聞いている。
