その頃、寂れたラブホテルの一室にて――
「……じゃあ、光(ひかり)ちゃん。先にシャワーを浴びてきなよ」
伸也の言葉に、光と呼ばれた美女が控えめに頷き、部屋に備え付けられているシャワールームへ小走りで向かって行った。
バタン
扉が閉められ、しばらくした後にシャワーが流れる音が鳴った。
それを確かに聞き取った伸也は黒い手袋を嵌め、ベッドの上に置かれたままの光のバッグを開けた。
(戻ってくるまでに、やっとかないと)
化粧品やナプキン等、女性らしい小物が詰められた鞄を慎重かつ大胆に漁(あさ)っていく。
ガチャ、ガチャと中の物をどかしていくと、黒い小瓶が見えた。
「これだ……」
小瓶を手に取り、蓋を開けて中を確認すると透明な液体が入っていた。
芽衣から教えられた通りの情報に、思わず伸也はほくそ笑む。
