「し……初夜だあああ! 濡れ場だあああああ!!」
興奮した様子で、とんでもないことを叫ぶ玲二に商店街を行き交う人々の視線が集まった。
「アホー!」
鈴が咄嗟に玲二の口を塞ぎ、黙らせる。
「すんませーん、この子アホやから気にせんといたって下さいね」
ニコッと笑いながら鈴が言うと、人々は視線を外し、去って行った。
「あれが恋人か。見たところ、悪女でも無さそうだな」
「せやな……ケイちゃんも、あんな良い人なら文句言えへんやろ……帰ろか」
黒斗は頷き、鈴が口を塞いでいた玲二の首ねっこを掴んで歩き出した。
「ちょ、兄貴、痛いってばああ……」
ズルズルと引き摺られていく玲二。
一歩遅れた位置から、鈴も2人の後に続く。
(……伸也さんにとって、小野寺先生って何だったんやろ? 恋人が居るなら、僕と小野寺さんじゃ釣り合わないとか、言わなそうやのにな……)
モヤモヤは解消される所か更に深まってしまい、鈴は疑問に頭を悩ませるが、答えは見つからない――。
