『いやあああ!! 苦しい、痛い、ヤダ、ヤダ!! 助けてええぇぇ!!』






グシャアッ






「がっ…………」


何かが肉に突き刺さるような音と同時に、みどりの左腕に激痛がはしり、視界に飛び散る鮮血が映った。

「イダッ……いた、いっ!!」

首から手を離し、反射的に痛む左腕を押さえようと右手を添えると傷口から飛び出ている鋭利な刃に指が触れた。




「なに、これっ……」

みどりが驚きの声をあげると、背後から刃の刺さっている部分を中心に強い力で引き寄せられる。


「あああああぁぁぁっ!!」


痛みと恐怖から悲鳴をあげるみどりの身体は浮き上がり、宙で勢いよく振り回された。


骨を貫通している刃物が軸となり、無理な体勢で回転されるみどりの左腕が嫌な音を立てる。



ボギッ



硬いものが砕けるような音がした後、みどりは勢いよく床に叩きつけられ、刺さっていた刃物が引き抜かれる。


「が、はっ……あ、ハア、ハア……」


衝撃から一瞬詰まった呼吸を整え、痛む左腕を見る。


「ひぁっ……やあああ!!」


みどりの左腕は、曲がってはならない方向に曲がっていて、折れた骨が肉を突き破って飛び出ていた。

二の腕辺りから飛び出ている白い骨には皮の欠片と、大量の血液が付着している。