ある決断をしたみどりは、ゆっくりとみきほに歩み寄る。
みきほの傍らに立ち、脇腹に刺さっていた包丁を一気に引き抜いた。
「っ、あぁぁ!!」
痛みのあまり、みきほは悲鳴をあげ、脇腹から鮮血が噴き出し、互いの体を濡らしていく。
「まま……なにを……」
「みきほ。ママの幸せの為に……死んでくれる?」
「え」
次の瞬間、みきほの首に包丁が突き刺された。
「ッ!!」
声無き悲鳴をあげるみきほ。
それでも、みどりは包丁で更に首を抉り刺していく。
刃先が奥に突き刺さっていく度に傷口から血が漏れて、みきほの首の下にドロリとした血溜まりを広げていく。
「アンタなんか……もういらないわ」
みどりは冷たく冷酷に呟くと、包丁に全体重を乗せた。
ブシャアッ
喉笛を貫かれたみきほの首から血が噴き出し、口からも血が零れる。
「……はぁっ」
みきほが死んだことを確信し、みどりはゆっくりと身体を離して死体を見下ろした。
みきほの首には包丁が突き刺さったまま。
包丁が刺さっている傷口の隙間から、血がこぼれて、床に歪な模様を描いていく。
僅かに開いたままの唇からも、次から次へと血がだらしなく溢れ出る。
白目を剥いて息絶えたみきほの顔には、涙の筋がハッキリと残っていた。
