デスサイズ


 精神的に相当 参っている恵太郎を見て、自ずと落ち込む黒斗と鈴。


 沈鬱(ちんうつ)な空気のまま、互いに一言も発することなく病院の出口に向かって歩いてゆく。




「ふざけんな! アンタが姉ちゃんを嵌めたんだろ!!」

 静かな病院内に似つかわしくない怒声が響き渡り、いったい何事かと2人は声が聴こえた受付へと急いだ。




 受付では派手な化粧をした金髪の少女が、先ほど恵太郎の病室を尋ねた看護婦に詰め寄っており、2人の周囲には野次馬が集まっている。



「落ち着いて下さい。ここは病院ですよ、他の方の迷惑になります」

「良い子ちゃんぶるんじゃねえ! アタシは、アンタの本性を知ってんだよ! アンタはとってもずる賢くて汚い女だってな!」


 穏やかな表情を浮かべていた看護婦の眉が僅かに吊り上がる。


「いい加減にして下さい。今の言葉は侮辱的すぎます」

「そうじゃそうじゃ! 江角(えすみ)さんは誰にでも優しい美人で良い人じゃぞー!」

「うっせえ!! ジジイは引っ込んでろ!!」

「ヒイイッ!」


 野次馬の1人が江角という名の看護婦を擁護(ようご)するが、少女の気迫に怯えて縮こまった。