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コンコン



ノック音が響き、みきほは扉の方を見る。


「……どうぞ」


ぶっきらぼうにみきほが応答すると、扉が勢いよく開かれ、賑やかな声が響きわたった。


「こんちはー! みきほさん、元気ですかー!!」

「病院で騒ぐなバカ」

「アハハ……みきほさん、こんにちは」

「みんな……来てくれたんだ!」

思わぬ来客に一瞬みきほは驚いた表情をするが、すぐに笑顔になり、3人を歓迎する。

一方、みきほの痛々しい姿を見た鈴と玲二は顔をしかめた。

「うわ……身体中、包帯だらけや……大丈夫なんですか?」

「大丈夫、大丈夫。頭にも腫瘍(しゅよう)とか出来てなくて、骨折と捻挫だけだから」


心配ないと、みきほは軽い口調で言った。


「そうですか……でも、元気そうで良かったー! あ、さっき廊下でみきほさんのお母さんと話しましたよ!」

「えっ……ママ……と?」

みきほの顔から笑顔が消えた。
「はい! すっごく綺麗で優しそうなお母さんですね!」

「…………」


ハイテンションでみどりの第一印象を述べる玲二だが、みきほの耳には入っていない。

「……ママ、何か言ってた?」

「いや、特には……みきほさんのこと宜しくって言うてただけで」

「ふーん……」


みきほは無表情のまま返事をして、3人へと向けていた視線を外し、うつむいた。

そんな彼女の様子を見て、とぼけた顔をしていた玲二が真剣な表情で口を開いた。


「……間違ってたらごめんなさい。みきほさんの悩みって……もしかして、お母さんのこと?」


この場にいた全員が、言葉を発した玲二に視線を移した。

3人の注目を集めたまま、玲二は続ける。


「お母さんと何か揉めてるの? ……今回のケガも、それと関係あるんじゃ? 」



以前、親友である有理に裏切られ、誰にも悩みと真実を打ち明けることが出来なかった玲二。

今のみきほと同じように悩みを1人で抱え込み、苦しんでいたからこそ、玲二にはみきほの思いを察したのかもしれない。