如月高校 校門前
鈴が出てくるのを待つ黒斗と玲二。
「………………」
2人の間には沈黙が流れている。
もともとお喋りな玲二は、沈黙が落ち着かずウズウズしているが特に話題も思い浮かばず、どうしようかと悩んでいる。
何かギャグでも言おうかと思ったが、この間の黒斗の冷たい反応と手痛いツッコミを思いだし、開いた口を閉じる。
それでも何とか会話を試みようと、声をかけてみた。
「兄貴! 鈴ちゃん遅いね!」
「そうだな」
「…………」「…………」
会話終了。
またも気まずい沈黙が、この場を支配した。
「2人共! おまっとさん!」
玲二が頭を抱えだした所に、鈴が校舎から飛び出し、2人に駆け寄ってきた。
「遅かったな」
「かんにんな! ちょっと大神くんと話しとったんや」
大神の名前を聞き、黒斗と玲二の顔色が変わった。
「みきほさん、階段踏み外してケガして入院しとるらしいんや。それで、大神くんに変わりに見舞い行ってほしいって頼まれてな!」
「…また大神か。本当に都合よく情報を持ってくる男だな……わざとらしいくらいに」
「…………」
黒斗は苛立った様子で喋り、玲二は無言のままうつむいている。
「まあまあ、そんなこと言わんと! 赤羽病院らしいから、はよ行こや!」
言うが早いが、鈴は1人先に歩きだす。
黒斗と玲二も、彼女の後を追って歩きだした。
