「イダイ!! イダイ、イダイよぉ゛!!」
あまりの痛みに涙があふれてくる。
叫んでも、叫んでも、無情な鎌が肉へと食い込んでくる。
「ヒ、ヒッ、ィ……」
いっそのこと気を失った方が楽だというのに、そうなってくれそうにはない。
鎌が押し込まれる度にグチュグチュと音が鳴り、ヌルヌルとした液体がズボンを濡らしていく。
気味の悪い感覚と痛みによって、恵太郎の口から逆流した胃液が漏れてくる。
(タ・ス・ケ・テ)
必死に唇を動かすが その言葉は声にならず、皮膚が、細胞が、骨が千切れる音と共に、恵太郎の右足が切り取られた。
「がああああああ゛あ゛ぁ゛っ!!」
ようやく死神が恵太郎の首から手を離すが、突然右足を失った為に、バランスを崩して地べたに倒れこんでしまう。
「あ、しがっ!! あしっ、おれの、あしが、ぁっ」
右足が無い状態で転げまわる恵太郎を、死神は真っ赤な瞳で嘲(あざけ)るように見下ろしている。
「かえせかえせかえせ!! おれのあしぃぃ!!」
錯乱状態の恵太郎は、死神の鎌に刺さったままの右足に手を伸ばす。
だが彼の右足はガラスが粉々に割れるような音を響かせながら、跡形も無く砕け散った。
「あっ、あっ、おれの、あしがぁぁぁっ!!」
無様な姿で叫ぶ恵太郎だが、死神は無言のまま彼の懐から札束を抜き取り、そのまま立ち去っていった。
