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翌日の放課後 如月高校2年A組 教室内



「それじゃ、皆さん気をつけて帰って下さいねー」

終礼を終えて、佐々木が教室を出ていくと生徒達は友達と喋ったり、さっさと教室を出ていったりと各々の行動をする。


鈴も席を立ち、前の席に座る黒斗に近寄った。

「クロちゃん、今日はヒマ?」

「バイトも用事も特には無いが……何かあるのか?」

「うん……昨日、みきほさん元気なかったやろ? せやから…何か気になってな……」


うつむき、憂(うれ)いの表情を浮かべる鈴。


「……だからって毎日毎日、家に押しかけるのもどうかと思うぞ。それに風祭が悩みを打ち明けるとも限らないだろ」

「……うん。自分でもお節介すぎるとは思うし、クロちゃんの言った通り、みきほさんが悩みを言ってくれるとは限らへん……でも、相談にのることは出来へんでも、少しでも気晴らしになればって……」


鈴が言い終わると、黒斗は鞄を肩にかけて立ち上がった。


「…分かったよ。佐々木も誘って、校門で待ってるぞ」

「おおきにな、クロちゃん…」


礼を述べる鈴に黒斗は片手を振り、教室を後にした。


鈴も自分の席に戻って、鞄に荷物を詰め込む。


「橘」


声をかけられ、鈴が顔を上げると大神が目の前に立っていた。

「みきほの家に行くつもり?」

「そうやけど……どないしたん?」


首を傾げる鈴に、大神は無表情のまま口を開いた。


「実はさ……みきほ入院してるんだ」

「ええっ!? 何でや!?」


“入院”という穏やかではない言葉に鈴がガタン、と音をさせながら、勢いよく立ち上がった。

焦燥感に駆られた表情の鈴とは対象的に、大神は他人事のような涼しい顔をしている。