「やっぱり頭おかしいんだわ……もう、いい…出ていきなさい!! アンタみたいな恐ろしい子、私の娘じゃない!!」
「もういいのはコッチだよ!! ママなんか大嫌いだっ!!」
掴んでいた両手首を乱暴に離し、玄関に向かって駆け出す。
「あんたは恐ろしい子だわ! いつかきっと、ろくでもないことをやらかす!」
後ろからみどりの声がしたが、みきほは無視して外に出た。
行く宛など無いが、今は互いに興奮状態にある。
しばらく時間を置いた方が良いと、僅かに残っていた理性がみきほに告げていた。
「ママのバカ、バカ、バカ! あたしのこと……あんな風に思ってたなんて……」
母に悪態を吐きながら、鉄製の階段を降りていく。
ドンッ
後ろから背中を思い切り押され、両足が階段から離れ、みきほの身体が宙に浮く。
「えっ?」
時間がゆっくりと流れているように感じながら、みきほは後ろを見た。
目に映ったのは、階段の上から両手を突き出している母の姿。
ガンッ、ガンガンガダン
やかましい鉄の音を響かせながら、みきほの身体が階段を転げ落ちる。
ドサリッ
頭を、腕を、足を、固い段に強かに打ち付けて、みきほは地面に転がった。
(……い、た…い……)
ー身体中が痛い。
ー腕も足も、自分の物では無いようにピクリとも動かない。
(マ……マ、が……あたし、を…………)
そのまま、みきほは意識を失った。
