「大声を出して、みっともない! 何をそんなに怒ってるの!! アンタ、頭おかしい!! やっぱり血を引いた娘ね、いきなり叫んで前のお父さんそっくり! いつか暴力を振るわれそうだわ!!」
「あたしの頭がおかしい? 前のお父さんそっくり? いつか暴力を振るわれそう?」
“お前は頭がおかしいんじゃ!!”
ー昔、アイツがママに言ってた言葉。
ー今は、ママがあたしにそう言っている。
ー似ている。
ー大嫌いだったパパと、今のママ。
ー殴るか殴らないかの違いだけ。
ー中身は、同じ……。
「……へえ、そうなんだ。そうなんだあ!! ママは、あたしのこと、そんな目で見てたんだあ!!」
興奮したみきほは、みどりの両手首をガッシリと掴んだ。
「痛いじゃないの!! 離しなさいよ!」
振り払おうとするみどりだが、手首を掴む力は非常に強く、抵抗できない。
「ねえ、ねえ!! あたし、2年前にボロボロの状態で帰ってきたことあったよねえ? あれ、どう思ってんの!? あたしが男を引っかけてきたと思ってんの!?」
「そうよ! 今のアンタはおかしいからね、何をするのか分かったもんじゃない!!」
「へえー!! そうなんだ、そうなんだあ!! アハハハハハハ!!」
大好きな母に、信用されていなかったことを知り、みきほは大きなショックを受け、錯乱した。
狂ったように笑いだす娘を見て、みどりの背中を冷たい汗が伝った。
