(この時が一番幸せだった。……ママがパチンコに行きだすまでは)
地獄の日々から解放されて、箍(たが)が外れたのか、みどりは前から行きたいと言っていたパチンコに通いだすようになった。
最初はみきほも気にせず、みどりがやりたいようにさせていたのだが、徐々に状況は悪化していくこととなる。
みどりの帰りは夜遅くになり、ご飯も作らず、コンビニの弁当ばかり。
そして、みきほに対して無愛想となり、常にピリピリしているようになった。
(やっぱり、ママが冷たくなったのはパチンコに行きだしてからかな……)
腕を組んで、記憶の引き出しを探るみきほ。
パチンコ以外に、母が変わった原因が見つからず、思い出すことを辞めようとする。
「……あっ!」
その時、みきほの脳裏にある出来事がよぎった。
突然の閃きに、みきほ自身も声をあげて驚く。
「……そうだ! “アレ”以来だ……ママが冷たくなったのは!」
一番思い当たる出来事を、みきほは回想し始めた。
