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一方、その頃……



みきほは自宅のダイニングで、過去のことを思い出していた。

あの奇妙な夢を見たせいか、無意識の内に過去の出来事が頭に浮かんでしまうのだ。






みきほの父、一志は朝から晩まで酒を飲んでばかりで働きもしない体たらくな男で、妻であるみどりを無理やりキャバクラに勤めさせていた。

そのくせ、酒を飲んでは些細な理由で妻や娘に暴力を振るっていた。


機嫌が良い時は気さくで、にこやかに笑っていることが多いのだが、だいたい機嫌が悪い時が多く、みどりのいさかいは、ほぼ毎日起きていた。


みきほは、父と母の馴れ初めをそこまで詳しく知らないのだが、みどりによると、一志に脅されて仕方なく一緒になったらしい。

また、みきほが産まれる前からも一志はみどりに酷い暴力を振るっていたそうだ。


みどりは何度も一志との離婚を考えたが、娘であるみきほの親権が父親に渡ることを怖れて、行動を起こせなかった。


だが、転機は訪れる。

15歳になったみきほは、一志がみどりに暴力を振るっている際、110番に通報したのだ。


もうこれ以上耐えられない、父親と離れたいというみきほの一心からの行動だった。

あわよくば、父親が警官を殴って逮捕されれば良いとさえ思っていた。



実際、父親が逮捕されることは無かったが、みきほとみどりは家に駆けつけた警官に女性相談センターを紹介され、シェルターがある市に移った。


その後、みきほ達は相談センターから自分達がDVを受けていたことを説明され、一志との離婚や暴力に対する裁判をするよう奨められた。


だが、一志は裁判の準備中に自宅にガソリンを撒いて火事を起こし、焼身自殺を図り亡くなった。



一志が亡くなったことによって裁判も中止され、身の危険が無くなったみきほとみどりは、母娘2人で一からやり直すことになった。




最初は生活も苦しかったが、みどりは娘の為に仕事を頑張り、みきほも母の為にバイトや家の家事を頑張った。

互いに支えあい、どうにか生活を安定させることに成功したのだ。