「ハアッ、ハア……」
いきなり全速力で走ったせいで息切れした玲二は、呼吸を整える為に、膝を曲げて深呼吸する。
「あ、レイちゃん! もう、気づいたらおらへんからビックリしたやないか!」
玲二が居ないことに気づいた黒斗と鈴が、道を引き返してきたようだ。
「ご、ごめん! アハハ……」
笑って誤魔化す玲二。
そんな彼に黒斗が近づき、鈴に聞こえないよう小さな声で話しかける。
「……大神に何か言われたのか?」
「っ、な、な、なに、何も言わ、れて、ないよ?」
「……そうか」
本人は上手く誤魔化せているつもりのようだが、目を合わせようとしないうえに、どもっている。
だが玲二が話したくないようなので、黒斗もそれ以上聞かないようにする。
まあ、玲二が隠したいことなど有理の事件くらいなので聞かなくても分かることだが。
(……大神 義之(よしゆき)。注意が必要だな)
何かと不審な動きが多い大神を、黒斗は改めて警戒することにした。
