「じゃあ、お邪魔しました!」
「うん、バイバイ」
みきほの部屋を出た3人は、階段を降りていき、アパートを後にした。
「…みきほさん、元気なかったな。どないしたんやろ……何かあったんかな」
帰る道すがら、鈴が心配そうに呟いた。
「みきほさん、やな夢見てたっぽいんだ。それから元気なくなってた」
「…………」
鈴と玲二の会話を黙って聞く黒斗。
「やっぱり君達だったんだ。みきほの友達って」
しゃくに障る声が聞こえて、黒斗が真っ先に振り向く。
鈴と玲二も同様に後ろを見ると、そこには大神が立っていた。
「チッ、またお前か」
大神の姿を見た途端、黒斗が苛立たし気に舌打ちをする。
「えっと……誰?」
初対面の玲二が隣に立つ鈴に訊ねる。
「ウチとクロちゃんの同級生で、大神くんっちゅうんや」
「へえ、兄貴の友達なんだ!」
「友達なんかじゃない。冗談でも吐き気がする」
以前、鈴が学校を休んでいる時に大神が見せた醜悪(しゅうあく)な笑顔を思い出し、黒斗が強い憎悪を含んだ眼差しで大神を見つめる。
「まあまあ…………あれ? 大神くん、今“みきほ”って言わへんかった?」
「ああ」
鈴の質問に、大神は無表情で頷く。
