「わ、悪い……大丈夫だったか?」
「うん、平気平気。ちょっとビックリしたけどな。それよりケイちゃんこそ大丈夫なん? ……死神に襲われたんやろ?」
「………」
鈴の言葉に頷くと、恵太郎は掛け布団をソッとめくった。
露(あらわ)になった全身に黒斗と鈴が息を呑む。
「ケ、ケイちゃん……右足が……」
「ああ……死神に切り取られちまったよ」
恵太郎の右足の付け根から下には何も無かった。
最初から彼に右足など無かったかのように、キレイに切断されていたのだ。
「ひ、ひどい……」
目に涙を溜めて震える鈴に、恵太郎は乾いた笑いを浮かべた。
「殺されるよりはマシだったけどな」
そう呟く恵太郎の脳裏に、死神に襲われた時の状況が鮮明な映像となって映しだされる。
