翌日の放課後
「へへっ…こんにちはー」
大きなビニール袋を持った鈴と、その後ろに佇んでいる黒斗と玲二の姿を見たみきほが笑う。
昨日の約束通り、3人はみきほの家に遊びに来たのだ。
「いらっしゃい! ほら、上がって上がって!」
頬を赤らめながら、3人を促すみきほは本当に嬉しそうだ。
「よいしょっと」
台所へと辿り着いた鈴は手に持っていた袋をシンクに置くと、中からニンジンを始めとする野菜や牛肉の切身、そしてカレーのルー等を取り出した。
「今日はカレー作ろうと思います。カレーやったら、作り置きも出来るし」
隣に立つみきほに、鈴がニッコリと笑いかける。
ちなみに黒斗と玲二も、今日は手伝いをしてほしいと頼まれて台所に集まっている。
「カレー好きだから嬉しい! ……でも、材料までごめん……」
申し訳なさそうに頭を下げるみきほ。
「ええって、ええって! 家にあった余り物を、冷蔵庫の奥から引っ張り出してきただけやから!」
気にしないで、と鈴が片手をヒラヒラ振りながら言った。
「余り物って……腐ってる物が混ざってないだろうな?」
シンクに置かれた野菜を怪訝(けげん)そうに見つめる黒斗に、直ぐさま鈴が抗議する。
「失敬やな! ウチのおかんは、あれでも神経質なんやから食べ物を腐らすことはあらへん! ……ただ、大量に食材を買ってくるのがキズやけど……」
「へー! オレのお母さんは、よく食べ物腐らせるよ! こないだ1ヶ月も賞味期限が切れたヨーグルト、オレ気づかずに食べちゃってエライめにあったなあ、アハハ」
「笑いごとじゃないだろ……ヘタしたら救急車ざただぞ」
一歩間違えれば食中毒でも起きてそうな事件を笑いながら話す玲二に、黒斗がボソッとツッコミを入れた。
