ガチャガチャ
玄関の鍵が開かれる音が聞こえて、みきほが携帯に表示されている時刻を見ると、23時を過ぎていた。
喜びに浸っていた間に、かなりの時間が経過していたようだ。
ギイ……トントン
玄関が開き、母親が中に入ってくる音を確認すると、みきほは自室を出て、玄関で靴を脱いでいるであろう母の元に向かった。
友達が出来たという喜びを、母と分かち合いたいと思ったのだ。
「ママ! お帰りなさい!」
既に就寝(しゅうしん)していると思っていた娘が現れて、40代後半の黒いセミロングの母親…風祭 みどりが驚いた様子を見せる。
「あんた、まだ起きてたの!? 明日は学校じゃなかったの!?」
「うん、そうなんだけど……ママに知らせたいことがあって」
「何よ? 手短にしてちょうだいね」
興味が無さそうに冷たく答えるみどりに、心がチクリと痛みながらも、みきほは笑顔で口を開く。
「あのね……あたし、今日友達が出来たんだ…3人も」
「へー。同級生?」
「ううん、違う学校の子。男の子2人と、女の子1人」
それを聞いたみどりが、訝しむように眉間にシワを寄せて、みきほを見つめた。
「違う学校の子? 変な子とかじゃないの? 厄介なことに巻き込まれない内に縁を切りなさいよ」
会ったこともないのに、一方的に黒斗達を不審がる母に、みきほが苛立つ。
