「……レイジブルガリアヨ~グルトッ!」
「……………………」
玲二がみきほを笑わせる為に言った言葉を聞いた瞬間、黒斗とみきほがフリーズする。
「……今のは何……?」
震える唇で紡がれたみきほの言葉に、玲二がやはり自信たっぷりに答える。
「だから“めいじ”と“れいじ”をかけて……」
バシッ
玲二が言い終わる前に、黒斗が素早く頭を叩く。
「あ、兄貴、痛いって……」
バシィン
無言のまま、もう1発くらわせる。
「痛い痛い! 兄貴、怖いよ! 無言が一番怖いからっ!」
涙目になりながら叫ぶ玲二を、黒斗は冷ややかな目で見つめ、みきほに至っては目を合わせようとしない。
渾身のギャグがスベり、玲二も意気消沈して顔を俯かせる。
「おまちどおさん! 鈴スペシャル完成やでー!」
顔や身体中をソースやら何やらで汚した鈴が、満面の笑みで完成した料理を持ってやってきた。
「さ、みきほさん。冷めへんうちに食べてや!」
鈴がテーブルに料理が乗った皿を置くが、それを見たみきほが目を丸くする。
「……これは……何……?」
鈴が作った料理。
真っ赤なスープに浸された、これまた真っ赤で伸びきった麺類の上に、ブサイクな形で切られたオレンジ色のパプリカがぶちまけられ、妙に細長いウィンナーとデコボコのタマゴが申し訳程度に添えられている。
