「……料理、出来ないの! あたしが作れるのは、おにぎりとホットケーキぐらい!! 何か文句あんの!?」
顔を真っ赤にしながら、みきほが怒鳴り散らす。
「……み、みきほさん…料理出来ないんだ」
冷や汗を流しながら玲二が呟くと、みきほがキッと睨みつけてきた。
「料理出来ないからって何!? 料理出来る人ってそんなに偉いの!? だいたい女だから料理が出来て当たり前って考え、おかしいじゃん! 人には得意、不得意ってのがあるでしょ!?」
息つく間もなく早口で言い放つみきほの迫力に、玲二はただ頷くことしか出来ない。
「……なるほど。それで毎日、弁当生活って訳か」
「うっさい!」
黒斗の言葉を一蹴(いっしゅう)するみきほ。
そんな彼女に、鈴がオドオドしながら質問を投げかける。
「あのー…みきほさん、今日も弁当なんですか?」
「……そうだよ。今からコンビニ行って弁当買うの」
「そんなんじゃアカンです! 毎日、毎日、弁当ばかりじゃ栄養が偏って、不健康になってまいます!」
バン、とテーブルを叩きながら鈴が詰め寄る。
「んなこと言われても困るし。料理出来る人が家に居ないんだから」
「それやったら、ウチに任せてもらえまへんか?」
「……は?」
胸に手を当ててニッコリと笑う鈴に、みきほは訝(いぶか)しげな視線を送る。
「……どうやら橘のお節介スキルが発動してしまったようだな」
「お、お節介スキル? 兄貴、何それ?」
「制御不可能の暴走技だ」
1度、鈴がお節介スキルを発動してしまっては止められないと分かっている黒斗は、諦めたようにガックリと肩を落とすのだった。
