「はあ……やってもうた」
叱られた子犬のようにしょんぼりする鈴。
「気にしない気にしない! こんなの、よくあることだよ!」
「……自殺と勘違いされて、見知らぬ相手に思いきりタックルをぶちかまされるのが、よくある出来事でたまるか」
玲二のフォローを、黒斗はバッサリと切り捨てた。
「アハハ……」
そんな2人の会話に、鈴は乾いた笑みを浮かべる。
「あれ? あそこ、何か落ちてるよ?」
地面に何かが落ちていることに玲二が気づき、黒斗がソレを拾い上げた。
「これは……学生証だな」
落ちていたのは学生証。
写真に写っているのは、先程の少女だった。
黒斗が持つ学生証を、鈴と玲二が覗きこむ。
「南風(みなみかぜ)女子高等学校 3年D組在籍 風祭(かざまつり)みきほ……だって」
学生証に書かれている情報を玲二が読み上げる。
「どないしよう…学生証を落として、困っとるんちゃうかな」
先程の少女…みきほのことを気遣う鈴。
「……とりあえず、俺達は学校に行くぞ。それで放課後、この学生証を渡しに南風女子高等学校に行けばいい」
「……せやな。ウチらの学校、遅刻にはうるさいし…この、みきほさんには悪いけど、返すのは後にしよか」
「そうだね……」
黒斗の提案に鈴と玲二は頷き、再び如月高校に向かうのだった。
