デスサイズ



午後23時04分


(……そろそろ約束の時間、だ)

布団に潜っていた玲二はスマホで時刻を確認すると、パジャマから外着に着替えた。


着替え終えた玲二は、音を立てないよう忍び足で玄関に向かい、そのまま静かに家を出て行った。






玲二が向かった場所は、かつて通っていた絵画教室の建物。

玲二が刺されて以来、事件を恐れた保護者達が次々と生徒を辞めさせ、最終的には廃校になってしまった。


薄暗い教室の中に入ると、玲二はキョロキョロと落ち着きなく辺りを見回した。



「や、約束の時間に来たよ! 何処にいるの!?」

「ノロマにしちゃ、ちゃんと時間がピッタリだな。感心、感心」


窓際から声が聞こえ、そちらに視線を向ける。




そこには、月明かりに照らされている有理が立っていた。


「有理……」


ゴクリと唾を飲んで、彼に近づきスマホの画面を見せる。

「このメール、何なの?」

スマホの画面には有理が玲二に送ったメールが表示されていた。


メールの内容は『話がある。今夜23時30分頃、絵画教室に来い』というものだった。



それを見た有理は満足したように何度も頷き、口角を吊り上げた。

「なあ玲二。あの事件の時にした約束、覚えてるよな?」

「……忘れる訳ないじゃないか。破るつもりだったら今頃、君は留置所の中だよ」


眉を潜めつつ、玲二は俯く。