デスサイズ


洋介達と別れ、玲二の家を目指す黒斗と玲二。

最初は落ち込んでいた玲二だったが、数分後にはすっかり元気を取り戻していた。



「とうちゃーく! ここがオレの家だよ!」

ビシィッ、と効果音が付きそうな勢いで指さした先には、3階建ての小さく古いアパートが建っていた。

「結構、質素な暮らしをしてるんだな」


玲二に案内してもらい、1階の2号室に向かった。


玄関を開けて入ると、短く狭い廊下に出た。

「こっちだよ」

玄関から直ぐ右にある部屋に誘導され、そちらに移動する。

「ようこそ! ここがオレの部屋だよ! 何か飲み物いる? コーヒーと麦茶があるけど、どっちがいい?」

「じゃあ、コーヒー。ブラックで」

「りょーかい! 適当に座って待ってて!」


リクエストを受けた玲二は、張り切った様子で部屋を出て行った。


とりあえず黒斗も、人の部屋をあまりウロウロする訳にはいかないので言われた通り、絨毯の上に座る。



「…………」


ヒマなので、何気なく部屋の中を見回す。


玲二の部屋は3畳の手狭な部屋で、小さな勉強机と本棚、クローゼットくらいしか物は置かれていない。

そして、壁には額縁に入れられた絵が飾られている。


幼い子供が描いたような絵柄で、親子3人でピクニックをしている様子が描かれていた。

絵の具で塗られた色は非常に鮮やかで、作者が心の底から楽しんで描いていたことが伝わってくる。

人間の芸術に疎い黒斗でも、純粋に綺麗だと思える絵だった。