初めての人。

【沙彩】

「買ってやるよ。」

「えっ!?そんなのいいよ!」

そう言ったけど、もう三谷君はレジの前に立っていた。

「はい。」

「あ、ありがとう。」

私は、人生で初めて男の人からプレゼント。と言うものを貰った。


しかも、とても高価なもの。
私なんかにはもったいないくらいの。

「三谷君は…?」

「なに?」

「三谷君にお礼させて!三谷君ばっかりに、こんな事させられないよ!」

「…いいって。」

「いやだ!何かしないと、私の気が済まないよ!」

「…わかった。」

「三谷君は何が欲しい?」

「俺は、何もいらねぇ。その代わり、俺の事、雄也って呼んで。」

「え。そんな事でいいの?」

「あぁ。」

本当にそんなのでいいのかな?

私には、あんな高価な髪飾り買ってくれたのに…。