初めての人。

【雄也】

ごめんなさい…か。
まあ、俺は諦めないけど。
勝負はこれからだよな。

「よっ!」

「隆也!」

「お前元気ないな。どーかした?」

「ちょっとな。」

「なんだよ!話せよ〜。」

隆也はにやけている。
きもちが悪い。

俺は、腹が立って教室を出た。

廊下を歩いていると、そこには沙彩の姿があった。
急いで俺は隠れた。

「どうしよう。私、告白されたの初めてで、傷つけちゃったかな。」
いかにも泣きそうな顔をしている。

なんだよ。初めてだったのか。あんな、可愛い顔してるのに。

「…さっ。」
話しかけに行こうと思ったら、 沙彩が泣き出してしまった。

「俺、そんな悪いことしたか?
ただ、告白しただけなんだけど。」

「おいっ。お前…沙彩に告白したのか?」

しまった…。
隣で隆也が聞いてきた。
最悪だ。

「で、どうだった?」

質問してくる隆也に腹が立ち無視してやった。

それにしても、あいつ…。