「うわぁ、すごい…」




お店に入ると、つい口に出てしまうくらい高級感あふれる空間が広がっていた。





床には踏んでもいいのかためらっちゃうくらい綺麗なじゅうたんが広がっていて、天井には大きなシャンデリア。




そして店内の至る所に、見るからに上質そうな、でもすごく可愛い服がたくさん並んでいる。





駆け足だった足も無意識のうちにとまって、
奥で店員さんと話している凌まで歩いて近づいた。






「この子。頼んでた通りでお願いします」




「かしこまりました。中原様、こちらへ」




「…はい!??」




いきなりすぎて話の流れが全然わからないんですけど…



こちらへって、私が!?


しかも中原様って私の名前知ってるし。




この悪魔、一体何喋ってたんだ…!?





説明してよと凌を見上げても
ほら。と、あの王子スマイルで背中を押された。


心の中では、きっと早くしろとでも言ってるんだろうな…目が笑ってるようで笑ってないし。





全然訳がわからないまま店員さんに誘導されてお店の奥に進んでいくと、更衣室らしき部屋に案内された。