しばらくして車が止まって
降りた先にあったのは明らかに高級そうなお店が並ぶ通り。
車を降りた凌は立ち尽くす私をよそに、
目の前の綺麗な服を着てるマネキンがショーケースに飾られているお店に向かって歩いていく。
私の横を追い抜いた時に、黒縁のメガネをかけているのが横目に見えた。
これが世に言う変装…ってやつ?
お姉ちゃんはいつも出かけるとき普通の格好だからあまりイメージないけど、
凌くらい有名になると見つかっちゃうと大変だもんね…。
でも、やっぱメガネも似合うんだなぁ…。
顔がいいと何でも似合っちゃうなんて、本当に
この世界は不平等…
…じゃなくて!
「ちょっ、待って!」
完全に私を置き去りにしてどんどんお店の中に入っていく凌を、駆け足で追いかけた。