『今回のテーマは色気ということで、ちょっと頑張って挑戦してみました〜』
少し照れながらそう言った須崎凌。
プレートにデカデカと貼られたポスターには、砂浜で須崎凌に押し倒されながら迫られている女の人。
須崎の唇が今にも女の人の首に付きそうで、なんか…いけないシーンを見てるみたいな写真。
女の人の顔は、逸らされていてちゃんとは見えないんだけど、
これ、絶対私だ…。
『それでは、お待ちかね。須崎凌くんの新CMです!どうぞ!』
画面が切り替わって、化粧品会社のCMが始まった。
それは、さっきのポスターと同じ雰囲気で
須崎凌がこれでもかってくらいに女の人(私)に迫っていく映像。
あの時は、何が起こってるかわからなくてひっしに目瞑ってたから見えてなかったけど、
距離、近すぎ…。
首筋はもちろん、唇同士の距離も半端なく近い。
それはもう、今にも触れちゃうんじゃないかってくらいに。
1分もないほどのCMが、とてつもなく長く感じて、
もうとっくに信号は変わっているはずなのにその場から動けない。

