『今日のゲストは、今大人気の若手モデル 須崎凌くんでーす!』
ん???
そんな声が聞こえてきて、近くにいた女子高生たちがキャーキャー騒ぎ出した。
顔を上げると、ビルの横に設置された大きいテレビに須崎凌が映っている。
どうやら、これは昼のエンタメニュース番組。
ちょうど信号が赤になって、私も足を止めてテレビを見上げる。
『こんにちはー、須崎凌です』
画面に須崎凌が映ると、周りの女子高生は黄色い声を上げて、大人の女の人まで画面に釘付け。
番組のアナウンサーの人と楽しげに話す須崎凌。
楽しげに笑顔も混ぜながら話す姿は、私が見た俺様キャラな須崎凌とは全く別人。
みんなは王子だって言うけど、私からしたらもはや悪魔にしか見えない……
なんて思いながら番組を見ていると、
アナウンサーが一枚のプレートを出してくる。
『さて、今回は新しいCMということで…』
アナウンサーが出したプレートが画面に写ると、ほぼ同時に周りがざわめき出し、時折悲鳴のような叫び声すら聞こえる。