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「日菜子ー!帰ろ〜!!!」




「あっ!彩ちゃんごめん!私今日は寄りたいところがあるから先に帰っててー」





…あれから2週間。





私、中原日菜子はいつもと変わらない平凡な生活を送っています。





立て続けに起きた信じられないような体験も、夢だったんじゃないか…なんて思ってしまうほど、何事もなく平和です。





学校の門の前で彩ちゃんと別れて、歩いて大通りに向かう。





今日は私とお姉ちゃんが最近ハマってるケーキ屋さんの新商品が出る日で、学校から近いから私が買って帰ると前から約束していた。





平日なのに、サラリーマンや観光客…
色々な人で溢れている歩道をうまく避けながら歩いていく。





あれから、少し須崎凌を気にするようになった。





ファンになったとか、そんなんじゃないんだけど、今みたいに街を歩いてたりすると、至る所に須崎凌を見つける。





大きい看板の広告とか、
雑誌の表紙とか…





テレビを見ていても、本当に今までなんで知らなかったんだろうと思うくらいの出演率。





そんな人と、少しの時間だけど一緒にいたなんて、やっぱ夢みたいだよね……





なんて思いながら、横断歩道の信号待ちをしていたその時…