「お疲れ様、日菜子ちゃん。はいこれどうぞ」
「あ、ありがとうございますっ」
制服に戻って更衣室を出ると、
成川さんが缶ジュースを渡してくれた。
「さ、私が送って行くから車乗ってね」
成川さんが指差す先には、黒のワゴン車。
来るときに乗ってきた車だ。
車のドアに手をかけようとした時、どきりと心臓が鳴った。
黒く加工されてて中は見えない車の窓。
でもこの中に須崎凌も乗ってるんじゃないか…なんて思うと、なんか変に緊張する。
「日菜子ちゃん?どうしたの?乗らないの?」
運転席の窓から顔を出した成川さん。
「あっ、い、いいえ!乗ります!」
意を決してドアを開けると、
そこには誰も座っていなかった。

