「だから大丈夫だよ?じゃあ私、試しに行ってくるから、何も無かったらみんなも帰ってね?」
「ちょっと、日菜子〜ぉ!」
呼び止めてくるみんなを残して学校を出た。
走って駅まで行けば、まだ早めの電車に間に合う。
黒いワゴン車なんて気にせずに、走って校門を出て、車の横を通った。
…ほら。やっぱりなんともないじゃん。
さあ、早く帰ろう!
そう思って一層足を早めたその時。
「中原日菜子さんですね?」
「はい?…ふごごごご!!?」
後ろから呼びかけられて、振り向いた矢先。
口を布みたいなものに抑えられて、からだごと担がれる。
…え、うそっ、なに!!?