私たちは夕方たまに会ったりもした。



その会っていた場所が私の家の近くの公園だった。




もう夏休みも終わる頃、私たちは公園で話をした。




「暗くなってきたね」




本当に時間はあっという間に過ぎる。




時間を忘れてバカをたくさんした。




「だな。もう帰るか?」




私たちは別に付き合っている訳じゃない。





ただとても気が合うから、楽しいから会うだけなんだ。




だけど私はきっと椎君が好き。




気づいたらもう好きになってて…




だけど失うのが怖いな。




「まだ居ないな…」




ボソッと呟く私。




言った後に後悔した。




だって今めちゃくちゃどきどきするんだもん。





「…ふ、素直じゃねーか」





そう言って椎君は優しく微笑んで手を差し伸べた。




嬉しかった、とっても。




まだいられるんだって思ったら




残りの少ない時間が楽しく思えてきた。




「私たち、今日で何回目の公園かな?」




「さあな」




それくらい、この場所にたくさん来て。




いつしかこの公園が椎君との思い出の場所となった。




「夏休み終わりたくないなぁー」




私はそう空を見ていう。




「夏休み前は嫌とか言ってたのにか」




「だってー暇と思ったし、」




「で、なんで変わったんだよ」




「なんでって…」




椎君はニヤケながらそう言う。




「ん?笑」




本当は知ってるくせに。




なんで言わせようとするのかなー




「別に?」




また、素直じゃない奴って思われたかも。




本当は、椎君と二人で会える時間が無くなるから、夏休み終わっちゃうのが嫌なだけ。




「言わねーとキスする」





「はっ!えっ、ちょっ…!」




その日椎君とキスをした。