私と椎君が付き合っても私たちも、周囲もなんにも変わらなかった。




ただ変わったことといえば、私が椎君に対する見方。




かっこいい、って最近改めて思うようになった。





でも椎君はかっこいい。




クラス内で3本の指に入るほど。





この3名も曖昧なんだけどね。





「椎君っ!」




私がトイレから帰るとき、奥の階段で誰かの声が聞こえた。




そこまではどうでもいいんだけど、




椎君って、聞こえたからついつい反応しちゃう私。




「…またお前かよ」





椎君?




なんだか冷たい椎君。




いつもと違う。




「だって、諦められないもん」




こ、これってまさか、




告白でっかぁ!?




ええええー




勿論クラス中、椎君と私が付き合ってるって知ってると思うのに。




私は密かに椎君を見た。




「何回来ても俺の気持ちは変わらないから」




「それでもっ、いつかは変わってくれると信じてます」




「…こりねーな、俺なんか止めとけよ」





「絶対嫌!諦めない!」




この子は隣のクラスの内川さん。




そんな子だったんだ。




この子は学年一可愛いって有名な人なのに。




「だからさ。俺に彼女いんの知ってんだろ」




「そんなの私には関係ない」





「勝手にしろ」




すると椎君はこっちに向かってきた。




それと同時に私に気づく。




椎君は驚いたような顔をして少し止まったけど、私の方に来た。




「なに。見てたの?」




「あ、うん…」




なんだか椎君はイライラしてるように見えた。




「そ。俺断ってるから」




「あ…え、でもさ」




私は言う。




「…」




「あの子が椎君を選ぶ気持ち、私には分かるよっ」




「…は?」




椎君は眉を顰める。




「だってすごく可愛い子とイケメンだもん。お似合いって言うか…」




「…なんだよそれ」




「え?」




私間違ってた?




「意味わかんねー」




そう言って椎君は教室に戻っていった。




私はただ思ったこと言っただけ。




なんで怒っちゃったの?