しばらくして、美玖とルナの支度が整いロビーには何人かの兵士とメイドが集められた。

「少しの間留守にするけど、いつも通りにしていてくれればいい。念のためにバリアは強化してある。それでも何かあればすぐに戻るからそれまでの間、国を任せます」

「でも私たちだけで国を守る事なんて出来るのでしょうか?」一人のメイドが不安そうにつぶやいた。

「皆も知っていると思うが私の双子の兄の陸はこのお城の事も気にかけてくれている。この国は、沢山の人たちに支えられている」
美玖はネックレスを握りしめてはっきりと答えた。

「私たちが不安になれば、人々も不安になる。私たちがこの国を守らなければ誰が守れる?」
その言葉に兵士やメイドは思い出したように前を向いた。

「いつだって教えて来たよね。私たちが頑張れば国民もそれに応えようとする。大丈夫。皆がそばに付いてるから。それに少しの間だから」
隣で聞いていたルナは「さすがだな」と思っていた。こんなに簡単にまとめられる
人はそうそういないだろう。

「私たち、頑張ります!美玖様とルナ様も安心して…そして、どうかお気おつけていってらして下さい」

  
  ここから偉大なる戦いが始まった。