盟蘭学園の裏門をくぐり抜けた美玖たちは本来の目的を果たすために手紙が落ちていた場所に向かっていた。

「いつもはもっと沢山いるんだけど、多分他のメンバーは依頼があっていなかったんだと思う」

「依頼ですか?」

「あの人たちは力があるから、いろんな依頼が来るらしいよ」

「あれだけでも結構な人数なのにまだいるんですか」

「今度会う事があればちゃんと紹介するね」

「はい。楽しみにしています」

 そんな話をしているといつの間にか手紙の落ちていた場所に着いた。

「ここが例の手紙が落ちていた場所…」
 美玖は辺りを見渡して近くに倉庫があるのに気がついた。

「怪しいのはあの倉庫…」

「行ってみますか?」

「そうだね。何か手がかりがあるかも知れないし…」

 美玖たちはフードを深くかぶり、倉庫の近くで様子を見ていた。しばらくして誰も出入りしていないのを見て倉庫の中を覗いて見る事にした。

「扉の鍵が開いてる…」
 美玖は少し驚いた。普通なら使っていない倉庫でも鍵はしっかりと閉まっているからだ。

 扉を開けるとソファーやイス、テーブルも置いてあった。

「誰かが最近まで使っていた可能性が高いですね」
 ルナがそう言うと、美玖も同じ事を考えていたようで、「さすがに綺麗すぎる」とつぶやいていた。

 倉庫の中を確認した美玖たちは、いったん隠れ家に戻る事にした。

 ある事件が起こるとも知らずに…