キミの隣にいたいんです。

「あ…」

するとふと、わたしの目線の先にあるものが目についた。
自然と足をとめてしまった。

「なんだよ…」

先輩もだるそうに、立ち止まる。

「かわいい…ほしいな」

わたしの目がとらえていたのは、変な顔をしたうさぎのキーホルダー。

「はぁ?お前こんなんがいいの?」

…こんなんって。
でも確かに、1つも売れてる気配がしない。
こんなに可愛いのに…皆おかしい。

「なんかコイツの顔、腹立つし」

「立ちません…!」

先輩はなんて失礼なことを言うんだろう。
…こんなに可愛いうさぎちゃんに向かって!

「ほら、いくぞ…もーいいだろ」

先輩はうさぎにメロメロなわたしに呆れながら行こうとしている。
…だけど、動けないわたし。
今、すごく買おうか迷っている。
可愛い…買いたい…でもお金が…うーん…。

「はぁ…しかたねぇな」

いつまでも悩みまくってるわたしに先輩がため息をついた。
すると、いきなりうさぎのキーホルダーを持ってレジに行ってしまった。

「え…」

呆気にとられるわたし。
状況がよく掴めない。
…ぼーっとしていると、先輩がキーホルダーを持って戻ってきた。

「ほら…、買ってやったからもう行くぞ」

手に置かれるキーホルダー。
やっぱり可愛い。
っ…じゃなくて!!!

「あの…ほんとにいいんですか?」

「別に…安いし、はやく帰りたいし」

「ほんとにあありがとうございますっ!!」

嬉しい。
先輩からもらったうちに入るのかわからないけど、先輩がくれたものには変わりはない。

「ふっ…そんなに喜ぶ?」

先輩は大げさとか言ってるけど…全然だよ。
みんなの憧れの三好先輩と買い物して、キーホルダーまで貰えて。
…幸せだって思ってる。
実行委員になれてよかった!
買い物にいかせてくれてありがとうございます、委員長さん。

「あ、これ2個セットですね!」

「ほんとだ」

よくみると、うさぎちゃんがもう一匹ついてる。
どちらも可愛い。

「先輩、1つ貰ってください」

「いらねぇよ…どっちもムカつく顔してる」

「そんなこと言わずに!先輩のお金で買ったのに、どっちも貰うのは悪いです!!」

わたしの気迫に負けたのか、先輩は嫌そうな顔でキーホルダーをうけとった。

「先輩、嬉しいです。ほんとにありがとうございました」
うさぎのキーホルダーを見る度に、ニヤけてしまう。
わたしの嬉しそうな顔をみて先輩は、

「まぁ、ムカつくけど慣れてきたらそーでもないかも」

…と、言って笑った。


その時、わたしの心臓がいつもよりはやくなった気がした。
…ううん、気のせいなんかじゃ、ない。