【陽菜side】

あの後、ギリギリで教室に戻ったわたしだけど、授業が終わったとたんに奈南から質問攻めにされた。

『陽菜!あんたなんかあったでしょ!』

『えっ!?な、な、な、なにもないよ』

『嘘!やっと戻ってきたと思ったら顔真っ赤だし?今もすごいたどたどしいし?』
‥‥わたしって、そんなに分かりやすいですか。

もう奈南から逃げられないと思ったわたしは、奈南にさっきまでのことをすべて話した。


‥‥‥‥‥‥そして、今にいたります。

「で?好きになっちゃったのね」

‥‥うんうん。
そうなんだよ〜。

「って、うぇぇぇえええええ!?」
何を言い出すかと思えば!!
先輩からもらったイチゴミルク吹き出すところだったじゃんか!

「だってそうでしょ?どう考えても」

「ち、違うもん!ときめいちゃっただけだもん!!」
必死に否定するわたしに、奈南は呆れ状態。

「あ〜はいはい。まぁそのうち気づくでしょ」

「先輩は憧れだから!」
‥‥もう奈南は聞いていませんでした。
違う子と喋っています。
奈南のバカ。違うんだからね。
先輩は憧れなんだし。