『丈くん!お疲れ様!』
もやもやは消えないけど、にっこり笑顔で言えた。
なのに、丈くん
「ん」
って、それだけ。
『疲れたの?ごはん、食べに行く?』
聞いたら、
「そんな気分じゃない」って、ちょっと怒ってる。
先輩が言ってた通りだ。
でも、なんで丈くんが不機嫌になるの?
私だって、もやもやしてるのに。
なんか、嫌な空気。
『髪、どう?私、気に入った!あの先輩、上手だね!』
この空気が嫌で、無理に明るめに言ったら
「かっこいい先輩にカットしてもらってよかったじゃん、へらへらして」
って。
なにそれ!!!
さすがにムッとして
『丈くんだって!いっぱい女の人にニコニコして!髪触ってたよ?』
「仕事だし」
わかってるよ、わかってるけど、もやもやするの。
『仕事だけど、丈くんは私の丈くんだもん!!!』って。
自分でもビックリした。
私、こんなに独占欲強いの?
もやもやが爆発して、涙が溢れてきた。
