「え!?優子先輩呼んでるんじゃないんですか!?」

あ…!そうだった!

優子ちゃんを口実にしちゃったんだった。

優子ちゃん、玲斗君、ごめんね!

でもここまで来たら会ってほしい…。

玲斗君もここまで来て「行かない」とは言わないだろうし。

「まぁまぁ早く外に出て!
美香、由乃。お留守番よろしくね。」

「「はーい!」」

「オレの言葉はスルーということでいいんですね?」

不服そうな顔をしながらも
「まぁいいんですけどね。」
と笑ってついてきてくれるから、私は安心して近道へ向かった。

「ここは?」

玲斗君が不思議そうな顔をして言った。

無理もないわ。

私たちが立っているのは庭の木の前なんだから。

「ここからIMPOに行けるの。」

私が幹に手をかざすと、ピピッと音がしてワープゾーンが現れた。

「IMPOまで行くのは疲れるから取り付けてもらったのよ。」

ここに入ればIMPOの敷地内まで一直線!

「じゃあ、行くわよ。」

「え!?ちょ…待…っ!」

勇気を出すことは大事よ?

躊躇わずに飛び込んだ方が怖くないし。

「じゃあ、れっつごー!」

私たち三人はワープゾーンへ飛び込んだ。