〜side 康汰〜
あー、失敗した。


小夜に練習試合のことを教えてどうすんだよ…。


小夜は奏琉先輩が好きだ。


俺のことなんて、本当にこれっぽっちもみてやしねー。


少しでも期待していた自分のばかさ加減にガッカリする。


でもだからこそ、少しでも俺に関心を持ってもらえるよう、俺も試合に出る今週の土曜のこと教えたのに……


『ありがとー!』


満面の笑みで言われうれしく胸が高鳴ったが、それはすぐにズキズキとゆう痛みにかわった。


『俺も出るんだけど、応援きてくれねぇ?』


その俺の言葉は遮られ、小夜に伝わることはなかった。


小夜は、バスケ=奏琉先輩だもんな。


そんなこと分かりきっていることなのに……


そんな自分、眉間にしわをよせていると、隣からおばさんの不安そうな声が聞こえてきた。


「ご飯、お口に合わなかったかしら?」


申し訳なさそうな表情で俺の食べているシチューを見ている。


「そんなことないよ!すんげーおいしい!」


そして俺は皿に残っているシチューを勢いよく完食した。


「やっぱり、おばさんの料理さいこー!おかわりもらってていい?」


おばさんの顔に笑顔が戻り、キッチンへ行き山盛りのシチューをわざわざ温め直して持ってきてくれた。


俺はそれもすぐに完食し、おばさんに礼を言って、皿を片付けた。



そして、小夜の部屋に向かった。


小夜の部屋からは誰かと電話で話してる声が聞こえてきた。


「――――で9時から!」


多分、篠村だな。


あいつ、いっつも篠村とバスケ部の練習見にきてるもんな。



「はーい!ありがとっ!じゃ明日ね」


電話が終わったらしく、部屋の扉をノックしたが返事がない。


返事のかわりにベッドのスプリングがきしむ音がする。


気づかないほどうれしいのか?


少し苛立ちながら扉を開け一言。


「そんなにうれしーか?」


小夜は我に返ったように飛び起き、あからさまにびっくりしたという顔で俺を見た。


「うれしーに決まってんじゃん!好きな人の勇姿を見にいけるんだもん!」


っ!


俺の気もしらないで。


なにが、好きな人だよっ。


苛立ちが増し、部屋に入り、小夜の目の前にあるイスに腰掛け、想いをぶつけるようにある質問をした。


「小夜のその先輩への〝好き〟は恋愛としての?それとも憧れ?どっちなの?」


俺は真っ直ぐに彼女をみた。