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「ケン、はい。誕生日おめでとう、あとハッピーバレンタイン。いつもありがとう。」



「えっ、何?まじで?」



2月15日のバイト終わり。


私は休憩室で、ケンに誕生日プレゼントと、義理チョコを渡した。






店長と鈴音さんには昨日、結城さんと石井さんには夕方あがるときに渡した。


そして最後に……ケン。




バレンタインは、トリュフとパウンドケーキを作った。


今年はバレンタイン前に少し体調を崩し、時間がなくあまり凝ったものが作れなかった。



本当はマカロンを作りたかったのだけれど。


まぁ、気持ちが大事ということで。



「うっそ、やっべ、超嬉しい!」


笑顔で受け取ってくれるケンを見て、ホッと一息。



「今日誕生日だったけど、バイト入ってて良かった~。ももてぃにプレゼントももらえちゃったし、すげー今幸せ!」


「別に入ってなくても、後日渡したよ?」


「いやいや、当日が大事なんだって!つぅーか、誕生日という日にももてぃに会えることも重要!」


「な、なにそれ…」



ドクンっと胸の鼓動が早くなった。


こいつ、何さらっと嬉しいこと言ってくれるんだ。



「ももてぃ、まじさんきゅ!これ、超開けたい!」


「もう家帰ってからでいいって。ほら、帰るよ~」



目の前で開けられるは勘弁、なんだか恥ずかしいよ。