タカラモノ~小さな恋物語~




「自分の気持ちに素直になるって、とても大事なことだけれど、とても難しいんだよね。意外と思い込みとかに邪魔されてしまったり、流されたり…。考え過ぎないことも大事だよ?」


「考え過ぎない…」


「そう。私自身、すーぐ考え込んじゃう人だからさ。多分飛鳥ちゃんもでしょう?

そういうのって理屈や言葉で説明できないから、本当に難しいんだけどさ…。」


「私、鈴音さんみたいに器用じゃないです。」


「私も器用じゃないよ、超不器用!」


「でも、店長と、ちゃんと仕事とプライベート、区切りつけられてますよね?私だったら…そんなに上手く出来ません。」


私がそう言うと、鈴音さんはまたクスッと笑った。


「違う違う、あれはあの人が上手なだけ。まぁ、慣れもあるかもしれないけれど…。」



店長、やっぱり大人なんだね。


デキる大人の男性。



「健吾くんと上手くいかなかったりする?」


「えー、何でケンなんですかぁ?!」


「ふふ、変な意味に捉えないで、お仕事の相棒として。」


「うーん…自分の中でケンのことは常に慎重に考えている気がします。それで、嬉しいよな時もあれば、モヤモヤしたり。難しいです、でも大切なヤツだから、考えます。」



わわわ、私 何言ってるんだろう?



自分で言っておいて恥ずかしい。



「そっか、いい関係だね。」


「最近は、なんか特に変っていうか…うーんと、えーと、その…」



思わず言葉が詰まる。


この気持ちを、なんて言葉にしたらいいのか分からなかった。