タカラモノ~小さな恋物語~




フワトロなオムライスは、とてもとても美味しくて。


「え、もうオムライス本当に美味しいです!」


私が終始、美味しい美味しいと連発するのを、鈴音さんは優しく笑った。



「飛鳥ちゃん…無理してない?」


「へ?」


不意にそんなことを言う鈴音さんの顔をポカンと見つめる私。


多分、自分が思っているよりマヌケな顔で。



「無理して、笑ってない?」


「へ、へ…?そんなことないですよ?

めちゃくちゃ普通です、ていうかオムライス美味しすぎて今幸せです。」


私がそう笑って言うのに、鈴音さんはどこか浮かない顔。


私、何かまずいこと言ってしまったのだろうか?


「あの、鈴音さん…?」


「私ね、今でもなんていうか迷ってるっていうか…飛鳥ちゃんにこんなこと言っていいのかって。」


「…店長とのことですか?」


鈴音さんは静かに頷いた。


そっか…、やっぱりまだ私にそんなに信頼度は無いんだね。


さっきまで馬鹿みたいに浮かれていたのに、少しシュンとなった。



大人の世界のお話だもんね。


こんな大学生のガキンチョじゃ、駄目だよね。



そう少し俯く私に鈴音さんはそっと言う。



「飛鳥ちゃん…店長のこと好きでしょう?」



……へっ?