「今日はなんか暇だね…。ま、平日はこんなもんか。
長期休暇入ってるから変な感じ。飛鳥ちゃんや健吾くんが1日いるときは、土日感覚なんだよね。」
次の日。
笑ってしまうくらいに静かな店内。
背伸びをしてあくびをする鈴音さん。
「私はもうずっと春休みでいいです。バイト来ていたいですもん。」
「ふふ、そう言ってくれると嬉しい。
お仕事好きになって、デキる社会人になってね。ていうか、飛鳥ちゃん十分デキる人だけどね。」
「え、とんでもないです。私なんてまだまだですよ。私、鈴音さんに憧れてます!」
「えーっ、私?!やめときな~、私なんて何にも出来ないから。
あ、でも店長は本当にデキる人、私はずっとあの人を目標にしてきたからさ。」
鈴音さんから店長という言葉を聞くと、ドキンとする。
鈴音さんは何かを懐かしむような遠い目をしていた。
「あの、その、店長とはずっとお仕事されているんですか?」
「え、あぁ。うん、私がこの会社に入社した時からの直属の上司みたいなもの。
もともと、この店舗が出来る前は、私も店長も別の地区にいたんだ。その時は、店長もまだ店長職ではなくて、私もまだぺーぺー。
で、この店舗が出来て、こっちへ来て、今に至るかな。」
そっか、そんなに昔から…
やっぱり2人の信頼関係は、私やケンが考えている以上のモノなんだろうな。
仕事においても、プライベートにおいても。
二人三脚っていうか…
素敵だな。
「鈴音さんも店長職を目指しているとかですか…?」
「いやいや、そこまでは無いよ。ずっと私も働いていたいっていうわけでもないしね…」
鈴音さんは、苦笑いをした。
「ただ、あの人にとって、最良の部下っていうか…仕事のサポートをしたいなって思ってきたんだ。」

