タカラモノ~小さな恋物語~




久々に女子大学生らしい休日を送った気がする。


「ちはる、今日はありがとね。」



映画の後、嫌がるちはるとプリクラを撮って、ウィンドウショッピングをして、ちはるを家まで送り届けた。


「いいえ、こちらこそ。

健吾くんに喜んでもらえるといいね!」


「うん、ちはるもね。翔くんにもまたよろしく言っといて〜」


「オッケー、また3人でも遊ぼ。翔にも行っとく。じゃあ…またね。」



ちはるが玄関を入ったのを見届けて、私は車を家へと走らせた。


帰り道、シュクレ・メゾンの前を通る。



…あ、ケンだ。


ケンが入り口近くにある雑貨の整理をしていた。

今日はたしか鈴音さんもいたっけ。




やっぱり、バイト好きだなって思う。


こんなにも、バイトのこと考えると楽しい。

元気が出る、わくわくする。


私にとって、元気の源。



「あれ、誰だろう?」


ケンに話しかけるお客さん。


なんだか顔見知りみたい。



大学生の女の子…かな?



「……。」


かなり仲が良さそうな雰囲気、お友達なのかな。




と、その時、ピッと後ろからクラクション。



「あ、いけない。」



いつしか信号は青。



私は慌てて車を発進させた。




少し、胸がつかえるような気持ちを残して…