タカラモノ~小さな恋物語~




それから、しばらくガールズトークをして、上映時間を迎えた。



「私、泣く準備万端だからさ!」


ちはるは張り切って椅子に座った。



映画の内容は、ベタだけれど、とてもキュンとして切ないお話だった。



女子にウケるのも納得。


周りを見ると、カップルもチラホラいたが、女子でいっぱいだった。





上映後のちはるときたらそれはもう…



「うぅぅ、泣ける。可哀そすぎるよ、うぅぅ~」


「ちはる…なかなかひどい顔。」



これは、姉御肌のちはるが見せる意外な一面。


ちはるってば泣き顔も綺麗だもん、羨ましいよ。



「やっぱり飛鳥、全然泣いてなーい!」


「ん、まぁ…でもすごく感動した!」



私はあまり映画で泣かない方かもしれない。


なんだか泣くのが恥ずかしくて、すぐにこらえてしまう。



「とりあえず化粧室。化粧なおさなきゃ。」


「あ、このあとプリ撮ろうよ!」


「やだ飛鳥、嫌味~!私こんな顔じゃん。」


「ちはるは美人だから大丈夫だよ~」



ホラホラ、とちはるを私はグイグイ押して行ったのであった。